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インプラント後のメンテナンス

       

治療が完了したからと言って一安心するのはNG。インプラントはその後のメンテナンスが非常に重要なのです。インプラント後の定期的なメンテナンスのメリットと、万が一トラブルが起こってしまった場合の注意点をご紹介します。

知っておきたいインプラントの基礎知識

インプラント後のメンテナンス

インプラント治療が完了し、快適な日常生活が戻ってきても、忘れてはいけないのが『メンテナンス』です。インプラントで入れた人工歯はあまりにもナチュラルで違和感がないため、ついつい特別なケアを怠りがちになります。ですが、長く快適なインプラントライフをおくるためには、メンテナンスが欠かせません。
今回はインプラント後のメンテナンスの重要性について解説します。また、万が一インプラントの隣の歯にトラブルが発生した場合、治療で気を付けなくてはいけない点についてもご紹介します。

メンテナンス費用と保険適用・医療控除について

相場はあるが一律ではない

インプラントを健全な状態に保つためには、レントゲン撮影や歯のクリーニングなど、定期的なメンテナンスを受ける必要があります。一般に、これらメンテナンス費用は当初の治療費には含まれていないので、通院の都度、規定の料金を支払うことになります。メンテナンスの料金はクリニックによって様々。クリーニング1回あたり数千円のクリニックもあれば、同じく20,000円程度のクリニックもあります。レントゲン代も2,000円程度から7,000円程度と、クリニックによって大きな開きがあります。大体の相場はありますが、一律ではないことを理解しておきましょう。クリニック選びの際には、目先の治療費だけではなく、事後的なメンテナンス費用まで考慮するようにしたいところです。

保険適用されない

インプラントのメンテナンスは自由診療。よって保険適用はされないので承知しておきましょう。保険が適用されない理由は、親となる治療、つまりインプラント治療自体に実用性以上の付加価値があるからです。普通の差し歯の場合は実用性のみが目的なので、保険が適用となります。しかしながらインプラントは、実用性に加えて人口歯の質や審美性など別の付加価値が加わります。そのため保険が適用されないのです。なお、例外的に事故や先天異常を理由としたインプラントに対し保険が適用されることがあるため、該当する方はメンテナンス費用についても確認しておくと良いでしょう。また民間の生命保険等の特約などにインプラントが含まれている場合もあるので、こちらも同様に要チェックです。

医療控除は利用できる

インプラントのメンテナンス費用は、原則として医療費控除の対象となります。医療費控除とは、高額の医療費を払った場合に限り、一定金額を超えた部分について税務上の優遇を受けられる制度。治療に支払った実費が100,000円(もしくは所得金額の5%のどちらか少ないほう)を超えた場合、その超過分について所得控除を受けることができる制度です。注意すべきは、「治療に支払った実費」に家族分の医療費も含めることができること。またメンテナンス代や薬代だけではなく、クリニックを往復する際にかかったバス代やタクシー代なども、「治療に支払った実費」に含めることができること。医療費控除を受けるためには、年度末の確定申告が必要となります。また実費を支払った際の領収書を保管しておく義務もあるので、忘れずにファイリングをしておきましょう。

インプラントのメンテナンスをしないとどうなる?

日頃からの手入れが明暗を分ける

普通の歯には虫歯のリスクがありますが、人口の歯には虫歯のリスクがありません。そのためインプラントをした後に、歯磨きなどの基本的な手入れが手薄になる人もいるようです。確かに人口の歯、すなわちインプラント自体が虫歯になることはありません。しかし、歯周病や歯槽膿漏など、歯にまつわる病気は虫歯以外にもたくさんあります。これら様々な口内の病気は、虫歯と同じように、日ごろの手入れ不足が原因とされています。日頃の手入れを怠ると、インプラントの周囲、歯茎、隣り合わせている歯などに各種の悪影響を及ぼすことがあります。インプラントをした安心感から手入れが手薄にならないよう、十分に意識して過ごしましょう。

天然歯よりも手入れをこまめに

天然歯の歯根の先端には、歯根膜と呼ばれる膜状の組織があります。私たちが多少の歯の手入れを怠ったとしても、虫歯や歯周病が急速に進行することがないのは、この歯根膜のおかげ。歯根膜には、虫歯菌や歯周病菌に抵抗する力があるからです。一方でインプラントには、この歯根膜がありません。細菌に対する抵抗力がないわけですから、ひとたび歯周病菌などが侵入してしまうと、天然歯以上のスピードで症状が悪化していきます。天然歯と違ってインプラントは、虫歯になる心配はありません。しかしながら別の病気のリスクは、天然歯以上に高いと考えてください。インプラントを受けた方は、受ける前よりもこまめに歯の手入れをする必要があるのです。

インプラント周囲粘膜炎

インプラントの手入れが手薄になると、普通の歯の手入れが手薄になったときと同じように、人口歯の周囲にプラーク(歯垢)が溜まってきます。プラークは歯周病菌の大好物。プラークが丁寧に除去されない限り歯周病菌は増殖を続け、やがてインプラント周囲の粘膜が炎症を起こしてしまいます。この状態が、インプラント周囲粘膜症です。インプラント周囲粘膜症を予防するには、天然歯だけではなくインプラントによる人口歯も丁寧に磨くことが大切。歯科医師や歯科衛生士の指導にしたがって、正しい手入れを毎日行ってください。インプラントの周辺に歯肉の腫れや出血が見られた場合は、インプラント周囲粘膜症の可能性があります。すぐに歯科医院に相談するようにしましょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲粘膜症を放置し、かつ手入れを十分に行なわないと、炎症は骨まで進んでしまうことがあります。天然歯の場合、歯周病が骨まで達すると歯がぐらついたり抜けてしまったりすることがありますが、インプラントの場合も同じです。金属の柱が人口歯を支えているというイメージがら、「インプラントは抜けない」と思い込んでいる人もいるようですが、天然歯と同様に、インプラントも歯周病が原因で抜けてしまうことがあるので注意しましょう。インプラント周辺の歯肉の腫れ、出血、人口歯のぐらつきなどを自覚したら、大事にいたる前に、早急に信頼できる歯科医へ相談することが大事です。

インプラントのメンテナンスはなぜ必要?

脆くなりやすい

インプラントを受けた後にメンテナンスを怠ると、人口歯が脆くなる恐れがあります。すでに説明したように、日ごろからの歯磨きなどの手入れを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクが生じます。そうなると、せっかく高額な治療費をかけて装着してもらった人口歯がもろくなり、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまう可能性すらあります。しかしながら自分だけでの手入れに頼っていると、知らずに惰性が働いてインプラント周囲に炎症を招いていることも。人口歯の周囲に何らかの不都合が起こっていないかをチェックするため、歯科医院における定期的なメンテナンスは非常に大事なことなのです。

保証が効かなくなる

定期的なメンテナンスを怠ったがためにインプラント周囲炎などを発症してしまうと、場合によっては歯科医院の保証を受けられない可能性があるので注意してください。インプラント治療では、多くの場合、事後の不具合に対する保証がついています。保証期間内に何らかの不具合が生じた場合には、無料または優遇的な料金で再治療を受けられる、といった内容です。しかしながら、これら保証を受けるには最低限の条件があります。それが、日ごろからの適切な手入れであり、また定期的なメンテナンスです。保証付きの家電製品などを購入した際でも、保証の条件として「適切な使用方法における故障」が前提となっています。インプラント治療においても同様と考えておきましょう。

家庭でできるメンテナンス

毎日の汚れの積み重ねをなくす

インプラントを健全に、かつ少しでも長く持たせるために必要なポイントは2つ。日ごろの手入れ(自己メンテナンス)をこまめに行なうことと、歯科医院での定期的なメンテナンスを受けること。中でも、日ごろの自己メンテナンスは非常に重要です。なぜなら、インプラントに不具合が生じる理由は、結局のところ毎日の汚れの積み重ねにあるからです。以下では、インプラントの状態を最善に保つための自己メンテナンスの方法をご紹介します。最初は多少面倒に感じるかも知れませんが、習慣化してしまえば問題ありません。一定の時間をかけてしっかりと自己メンテナンスをすることで、末永くインプラントの健康を守っていきましょう。

歯ブラシ

自己メンテナンスの基本は、歯ブラシによるブラッシングです。インプラントと天然歯の間やインプラントと歯ぐきとの間を丁寧にブラッシングし、プラークの蓄積を未然に防止してください。ブラッシングをする際の基本は、力を入れすぎないこと。ブラシの力とプラークの除去率に相関関係はありません。意識すべきはブラシの角度です。正しいブラッシング方法をご存知ない場合は、歯科医院に申し出て歯科衛生士から指導を受けるようにしましょう。

歯間ブラシ

歯ブラシでの正しいブラッシングに加え、歯間ブラシを利用することで歯と歯の間のプラークを効果的に除去することができます。日ごろの自己メンテナンスとして、ぜひ取り入れていきましょう。なお歯と歯の間の広さには個人差があります。その個人差に合わせるように、歯間ブラシのサイズや硬さにはいくつかの種類があります。歯間ブラシは薬局などで入手できますが、自分に合ったサイズや硬さを知るためにも、初回は歯科医院で購入することをおすすめします。

デンタルフロス(糸ようじ)

歯ブラシや歯間ブラシでも届かないような細かい場所には、デンタルフロス(歯科衛生士が使う糸状のツール)を使ってみてください。特に、インプラントと歯ぐきとの間の歯周ポケットをケアする際には、デンタルフロスがとても有効です。なおデンタルフロスを自在に操るためには、ある程度の経験と慣れが必要。どうしても使いにくい方は、いわゆる糸ようじで代用してください。片手に持って簡単にフロスケアをすることができます。

マウスウォッシュ(洗口剤)

歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスで徹底的に歯垢を落とした後は、マウスウオッシュで口の中全体をきれいにしましょう。マウスウォッシュには、自宅で使用するためのボトルタイプの他にも、外出先で使用するための携帯タイプのものがあります。できるだけこまめにケアするために、携帯タイプのマウスウォッシュも用意するのが理想です。なおインプラント治療の直後は、歯科医師からの許可をもらってからマウスウォッシュを使用するようにしてください。

歯磨き粉

ブラッシングで使う歯磨き粉については、インプラントを傷つけないためにも、研磨剤が配合されていないものを選ぶようにしてください。歯磨き粉に使われる研磨剤は次の通りです。

  • ・炭酸カルシウム
  • ・炭酸ナトリウム
  • ・ケイ素
  • ・リン酸水素カルシウム
  • ・リン酸水素ナトリウム
  • ・水酸化アルミニウム

成分表の中に、これらのいずれの表記もない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。自分で分からない場合には、歯科医師に相談することをおすすめします。

歯医者さんでのメンテナンス

頑固な汚れは歯医者でしか落とせない

インプラントを受けた後、上で説明した自己メンテナンスを怠りなく毎日行っていれば、インプラント周囲の汚れの蓄積の多くを取り除くことができます。しかし、残念ながら「完璧」に汚れを取り除くことはできません。わずかな汚れが残り、やがて時間とともにその汚れが蓄積。どれほど丁寧な自己メンテナンスを行っていても、徐々にインプラント周囲炎になるリスクは高まっていきます。こうした自己メンテナンスの限界をフォローするのが、歯科医院での定期メンテナンス。自分では除去しきれずに蓄積した歯の汚れも、歯科医院の専門的なクリーニングを受けることによって、確実に除去することができます。頑固な汚れは歯科医師にしか落とせないことをご理解のうえ、定期的な診察を受けるようにしましょう。

目視チェック

歯科医院におけるメンテナンスは、まずインプラントの状態を目視でチェックすることから始まります。家庭でのメンテナンスの状況、インプラント周囲炎の可能性、噛み合わせの状態、インプラントの安定性など、歯科医師が目視だけでチェックできる項目がたくさんあります。歯科医師の目視チェックは、いわば車検のようなもの。どれほど小さな不具合だっとしても、それを放置していると、いつかは車もインプラントも大きな問題に発展する恐れがあるのです。

噛み合わせの確認と調整

歯科医院で行なわれるメンテナンスの中でも、特に嚙み合わせの確認は繰り返し丁寧に行なわれます。噛み合わせに不具合があると、消化器疾患や顎関節症、慢性頭痛など、全身にわたる様々な健康被害のリスクがあるからです。インプラントの形は一定ではありません。噛み合わせの都度、わずかに形が変わっています。そのわずかな変形の蓄積を見逃さないよう、歯科医師は噛み合わせのチェックを特に重視しているのです。

レントゲン撮影

インプラントの周辺の様子など、目視ではどうしても確認できない部分については、レントゲン撮影を行って状態を確認します。レントゲン撮影でチェックする項目は、主にインプラント周囲の炎症の有無、およびアゴの骨の状態です。いずれも目視では確認できず、かつ問題があった場合には早急な処置が必要となる項目です。なおレントゲン画像の正確な解析には、豊富な経験が必要。信頼できる歯科医師にチェックしてもらいたいものです。

インプラントを外してのクリーニング

インプラントのかぶせ物を取り外し、その内部のクリーニングを行う場合があります。かぶせ物の内部を自分で洗浄することはできないため、内部のクリーニングは歯科医院にしかできない非常に大切なケアの一つです。かぶせ物の内部をクリーニングする頻度は、数ヶ月~数年に1度。クリニックの方針によって頻度は大きく異なります。なお、セメントで接合したインプラントの場合には、内部クリーニングを行うことができません。

口の中全体のクリーニング

インプラント周囲炎などの予防のため、日ごろ手入れが行き届いていない部分を中心に丁寧なクリーニングが行われます。特に重点が置かれるのが、歯の表面、歯間、歯周ポケットの3箇所。とりわけ歯周ポケットは、日ごろのメンテナンスではケアが行き届いていない可能性があるので、徹底的なクリーニングが施されます。なお口の中全体のクリーニングは、3ヶ月から6ヶ月に1度のペースで行なわれるのが一般的です。

本当に長いのは、インプラントを入れた後の時間だから

インプラント治療は人によっては長い時間がかかる治療ですが、本当に長いのは治療の時間よりも、インプラントを入れた後の時間です。だからこそ、経験と知識のある医師のもとでインプラント治療後のメンテナンスをしっかり行うことで、インプラントの寿命を長くし、健康で快適な口腔環境を維持することができます。また、歯のトラブルで歯科医に相談に行く場合、その歯がインプラントの隣だったら要注意です。非常に繊細な治療が必要になりますので、その際もかならず実績があり信頼できる医師を探すようにしてください。

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