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治療の流れと期間は?

知っておきたいインプラントに関するQ&A!治療のプロセスや平均的な通院期間、インプラント治療後のメンテナンス方法まで、役に立つ知識が満載の情報サイトです。

治療の流れと期間は?(イメージ)
ギモン5Question5

治療の流れと期間は?

期間は平均約3~10ヶ月。
最近では忙しい人のための短期コースもあり!

インプラントとひとことに言っても、最近ではさまざまな治療法が確立されています。「インプラントは長くかかるので大変」とよく聞きますが、実際にどのくらいかかるものでしょうか。ここでは平均的な治療プロセスや治療期間、治療後のメンテナンス方法などについてご紹介します。

インプラント治療の流れとは

  1. 精密検査と治療計画の確認

    インプラント治療を行うには、施術前にどれだけの歯が失われているのか、今ある歯がどんな状態なのか、骨格や骨の硬さ、大きさ、かみ合わせはどうなっているのかを正確に把握しておくことが非常に重要になります。
    そこで各クリニックでは最初にレントゲンやCTスキャンなどを使って、1人ひとりの口腔環境や骨格を確認し、治療方針を決めていきます。その上で、どのような形で施術が行われるのか、治療法や料金、通院期間などのカウンセリングを行い、患者同意のもと治療がスタートします。骨の強度が足りない人は、ここで造骨手術などの相談も行います。

  2. 1次手術

    インプラント手術には、2回法と1回法の2種類があります。手術を2回行なうか、または1回で終わらせるか、の違いです。 2回法は、1次手術と2次手術に分けられます。1次手術で行なわれるのは人工歯根の埋め込み。歯肉を切開してドリルで骨に穴を開け、その穴に人工歯根を挿入します。挿入後、歯肉でフタをするようにして縫合し終了。手術時間は1~3時間ほどで、入院の必要はありません。2次手術では、歯肉の縫合箇所をふたたび切開してアバットメント(人工歯根と人工歯を連結する器具)を装着します。

    一方、1回法は、人工歯根とアバットメントが一体となったワンピースタイプのインプラント体を、1度だけの手術で挿入するやり方。手術が1回で済むという点において、2回法に比べれば患者の身体的負担は小さくて済むというメリットがある一方、顎の骨がしっかりとしていなければ手術が難しい点や、2回法に比べて感染リスクが高い点など、いくつかのデメリットもあります。 なお、一般的なインプラント手術では2回法が採用されています。

  3. 定着期間

    2回法の場合、1次手術から2次手術の間に3~6ヶ月程度の定着期間を置きます。人工歯根と骨とを、しっかりと結合させる大事な期間です。 定着期間の長さには大きな個人差がありますが、これは骨の硬さ、大きさ、骨密度などの違いに由来するもの。骨移植や補助手術を受けた患者の場合には、さらに定着期間が長くなるのが一般的です。また、上顎か下顎かの違いによっても定着期間に差が出てきます。上顎は2~6ヶ月程度、下顎は2~3ヶ月程度が定着までの目安。下顎のほうが短期間で定着する傾向があります。

  4. 2次手術

    2回法のインプラント手術を採用した場合、数ヶ月の定着期間を置いたのち、2次手術が行なわれます。1次手術でフタをするように縫合した部分を改めて切開し、ネジを回す要領でアバットメントを装着。装着後、切開した部分を縫合して終了です。 2次手術の所要時間は30分ほど。1次手術に比べると、患者の身体的負担の小さい手術になります。 術後は、治療の最終段階である人工歯の装着に向け、切開部分が完全に癒着するまで1~6週間ほどの期間を置きます。

  5. 人工歯の装着

    2次手術における縫合箇所の傷口が完全に治ったら、いよいよ治療の最終段階である人工歯の装着へと入ります。 最初に行なわれるのは、噛み合わせ等のチェック。インプラントには、天然歯に見られる歯根膜が存在しないため、噛み合わせ具合の微調整は非常に大事なプロセスとなります。 チェックが終了したら、患者それぞれの歯の色や形に合わせた人工歯を製作。完成した人工歯をスクリュー式でアバットメントに装着しすれば、インプラント治療は終了となります。場合により、人工歯をセメントで固定する場合もあります。

インプラント治療の期間

インプラント治療は、①人工歯根を歯茎の中に埋め込む→②骨肉と人工歯根が結合するのを待つ→③連結部分を着けて人工歯をかぶせる、という大きく3つのプロセスを踏みます。そのうち、②の定着期間には約2~6ヶ月の期間が必要なため、インプラントの治療期間はトータルで3~10ヶ月ほどかかるのが一般的です。

虫歯の治療に比べると「ずいぶん長いな」と感じる人もいると思いますが、インプラントはアゴの骨に穴を開けて器具を埋め込む外科手術ですから、ある程度の治療期間は必要と考えておきましょう。

また口腔内の環境や骨の硬さ、大きさなどは人によって違うため、治療期間も人それぞれです。歯周病や虫歯などがある人は先に歯の治療を行いますし、骨の幅が少ない場合は骨の増大治療を行った上でインプラント治療を行うことになります。入れる本数が多いほど時間もかかりますし、骨がやわらかい人は治癒に時間がかかるケースが多くなります。

治療期間はあくまで目安として受け止めて、くわしくは主治医と話し合い、自分がどうしたいのか、どのくらいの期間がかかるのかをしっかり確認しておきましょう。 最近では「仕事が忙しくて長期間通えない」「人前に出る仕事柄、歯のない状態で長く生活できない」という人のために、抜歯と同時にインプラントを入れる「抜歯即時インプラント」や、埋入手術後すぐに仮歯を入れる「即日負荷インプラント」など、短期間で治療を進められる治療法も増えています。これらは治療が受けられる人とそうでない人がいますので、くわしくは医師に相談してみてください。

ケースごとの期間例

定着期間を置きます。定着の状態に問題がなければ、2次手術でアバットメントを装着。2次手術の傷口が完全に治癒したことを確認のうえ、型取りをします。型取りから2週間後には被せ物となる人工歯が完成。アバットメントに取り付けて治療は終了となります。トータルでかかる治療期間は、約3ヶ月半になります。

■前歯に1~6本ほどの欠損が見られる場合
<治療期間:上顎は約4ヶ月半、下顎は約3ヶ月半>

歯周病がなく、骨の高さにも問題がない場合には、すぐにインプラントの治療に入ることができます。 初診で各種の状態を確認したのち、2回目の通院で人工歯根を埋め込むための1次手術。1次手術から約10日に抜糸をし、上顎の場合は3ヶ月ほど、下顎の場合は2ヶ月ほどの定着期間を置きます。定着期間にて人工歯根と骨とが完全に結合したことを確認したら、仮歯を作成し装着。さらに1ヶ月ほど経過を観察します。のち型取りをして、その2週間後に人工歯を装着して治療が完了。トータルでかかる治療期間は、上顎の場合は約4ヶ月半、下顎の場合は約3ヶ月半になります。

■下顎の奥に1~4本ほどの欠損が見られ、かつ骨が非常に小さい場合
<治療期間:約5か月半>

骨の高さが非常に低い場合、または骨の幅が非常に狭い場合には、インプラント治療の前段階において、骨を増大するためのGBR法等の治療が必要となります。治療にて骨が十分に育つまでに要する期間は、約3ヶ月。インプラントに耐えうるほど骨が増大したことを確認のうえ、以後は通常と同じインプラント治療をスタートさせます。人工歯根の埋め込み、抜糸、アバットメント装着、型取り、人工歯の装着に要する期間が2ヶ月半ほど。骨の増大手術と合わせると、トータルでかかる治療期間は約5か月半になります。

■上顎の奥に1~4本ほどの欠損が見られ、かつ骨が非常に小さい場合
<治療期間:約6ヶ月半>

骨の高さが5mm以下である場合や、骨の幅が非常に狭い場合には、インプラントを行なう前に骨の増大治療が必要です。骨の増大に採用される治療法は、GBR法やサイナスリフト法など。骨が十分に成長するまでに、約3ヶ月の期間がかかります。骨が十分に増大したことを確認したあとは、通常のインプラントと同じ流れで治療を進めます。1次手術における人工歯根の埋め込み、抜糸、2次手術におけるアバットメント装着、型取り、人工歯の装着に要する期間が、約3ヶ月半。骨の増大治療と合わせて、トータルで約6ヶ月半の期間がかかります。

■前歯に1~6ほどの欠損が見られ、かつ骨が非常に小さい場合
<治療期間:上顎は約7ヶ月半、下顎は約6ヶ月半>

前歯に欠損が見られる場合で、かつ骨の高さが非常に低い場合、または骨の幅が非常に狭い場合には、インプラント治療に入る前に骨の増大治療が必要です。GBR法等を施し、骨が増大するまで約3ヶ月ほどの期間を置きます。インプラントに対応できるほど骨が十分に成長したら、以後は通常のインプラント治療と同じ流れになります。人工歯根の埋め込み手術、抜糸、アバットメント装着、歯の型取り、人工歯の装着に要する期間が、上顎の場合は約4ヶ月半、下顎の場合は約3ヶ月半。トータルでかかる期間は、上が7ヶ月半、下が6ヶ月半となります。

治療後のメンテナンス

長い治療もようやく完了!といってもそれで終わりではありません。耐久性に優れ、長期間にわたって歯と同様に使えると言われるインプラントですが、必ずしも万能とは言えないのです。なぜならインプラントには厄介な敵「歯周病」が待ちかまえているからです。

せっかく時間とお金をかけてインプラントを入れても、歯周病によって周囲の歯肉が痛んでしまったり痩せたりすると、インプラントが使えなくなってしまうケースも。また、インプラントは人工物ですから、周囲が歯槽膿漏などになっても自覚症状がなく、トラブルが悪化する場合があります。

こうしたトラブルを放っておくと、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。また骨が大きく痩せてしまった人や、全身の健康状態に問題がある人などは、再手術ができないこともありますので注意が必要です。

インプラントを1日でも長く維持するためには、日頃から正しい方法で歯磨きやプラークコントロールを行い、お口の中を健康に保つことが重要。歯ブラシやデンタルフロスなどでまめにケアすることはもちろんですが、プロにお願いして自力では行き届かない部分までクリーニングしてもらうのもいいでしょう。

また、定期的に歯科医院で検診を受けることも忘れずに。レントゲンで骨の状態をチェックしたり、かみ合わせや口腔内の環境がうまくいっているかどうかなど、専門医に正しく診断してもらうことが大切です。メンテナンスは可能なら3ヶ月に1回のペースで、少なくとも年1~2回は通うことをおすすめします。

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